高度なリスク管理:プロの枠組み
🎯 学べること
このレッスンを終えると、次のことができるようになります:
- ケリー基準:(勝率 × 平均利益 - 負け率 × 平均損失)÷ 平均利益
- リスク調整後リターン:シャープレシオを追う(リターン ÷ ボラティリティ)
- drawdownの管理:-10%=25%縮小、-15%=50%縮小、-20%=停止
- 枠組み:ケリーを計算する → ケリーの25〜50%を使う → drawdownでは規模を落とす
⚡ 明日からできること(クリックで展開)
抱え込みすぎないこと。まずはこの3つから:
- いますぐポートフォリオ負荷を計算する — 持っているポジションをすべて開く。全トレードについて、エントリーからストップまでのドル建てリスクを足し合わせる。口座残高で割る。8%を超えているなら、8%以下になるまでただちにポジションを閉じる。この一手間だけで、口座を飛ばす事故の9割は防げる。例:1万ドルの口座で3ポジション、リスクが300ドル、400ドル、250ドル=合計950ドル=負荷9.5%=高すぎる。いちばん小さいポジションを閉じる。
- drawdownの警報を-10%に設定する — 口座の最高値(今月のいちばん高い残高)を記録する。現在の残高がその最高値より10%下がったら、自動的にポジションサイズを25%落とす。例外なし。例:最高値1万2,000ドル → 警報は1万800ドル → 最大リスクが2%(240ドル)から1.5%(180ドル)へ下がる。連敗が破滅的になる前に資金を守る仕組みだ。
- 3層のリスクルールを紙に書いてモニターに貼る — 1トレードの上限:2%。ポートフォリオ負荷の上限:8%。drawdown手順:-10%=25%縮小、-15%=50%縮小、-20%=取引をやめる。ルールが目に入る状態だと感情的な判断を防げる。明日はどのトレードの前にも必ず見直すこと。どれか一つでも破っているなら、そのトレードには入らない。
プロのトレーダーはトレードだけを管理しているのではない。drawdown、相場状態の転換、そしてポートフォリオの生き残りを管理している。 ケリー基準、動的なポジションサイズ、drawdown手順、そして機関投資家が使うリスク管理の枠組み一式を学ぶ。
📉 ケーススタディ:ケビンの3万4,600ドルのリスク管理崩壊(15週間)
トレーダー: ケビン・パテル(合成事例)、28歳、オースティン(5万ドルの口座、14か月間プラス、月3〜4%の利益)
戦略: ポジションサイズは頭では理解していたが、決まった手順ではなく勘で動いていた。「自分の限界は分かっている。気をつけるよ。」
致命的な欠陥: ポートフォリオ負荷の上限なし(総リスク22〜32%を取っていた)、drawdown手順なし(-17%、-32%、-52%のdrawdownのあとも満玉で取引を続けた)、間違ったときにナンピンした(「そのうち戻る」)
結果: 15週間で3万4,600ドル(-69.2%)を失った(2024年1月8日〜4月19日)。口座:5万ドル → 1万5,400ドル
転落(2024年1〜4月): 1〜3週:相関の高いポジションを3〜5取った(負荷18〜22%)、-8,400ドル(-16.8%)まで沈んだが、どの手順も作動しなかった。4週:「取り返す」ためにサイズを引き上げ、負荷24%に。5〜6週:drawdownが-32%に達し、本来なら止まるべきだった(プロは-20%で止まる)のに、代わりに負荷32%を取り、さらに-7,600ドルを失った。8週:-52%のdrawdown(口座の半分が消えた)、損失ポジションでナンピンを始め、「そのうち戻る」と考えてBTCで3倍に張った。9〜11週:-62.6%のdrawdown、負荷18%で「一発逆転」を狙った捨て身の賭け、さらに-5,300ドルを失った。12〜15週:-69.2%のdrawdown、純粋な感情だけの散発的な報復トレード。違反の総計:1トレードあたり6〜8%(上限は2%のはず)、ポートフォリオ負荷22〜32%(上限は6%のはず)、ナンピン14回、drawdown手順の遵守はゼロ。
限界点(4月20日): かつての同僚プリヤ(プロップファームのトレーダー)が口を出した。「なあ、お前はいま職業上の自殺をやったんだよ。プロップファームなら8%で自動的に強制決済されるところを、22〜32%のポートフォリオ負荷で回してる。-32%のdrawdownまで来て、そこでサイズを上げた。うちなら-20%でクビだ。ポジションサイズも、負荷の上限も、drawdownの手順もない。お前がやってるのはトレードじゃない。死にたがりのギャンブルだ。」プリヤはケビンに機関投資家の3層の枠組みを見せた。(1) 1トレードのリスクは最大2%、(2) ポートフォリオ負荷は合計で最大6%、(3) drawdown手順:-15%でサイズを50%落とす、-20%で取引をやめる。交渉の余地なし。
立て直し(2024年5月1日〜7月31日、26週間): ケビンは厳格な機関投資家型のルールで1万5,400ドルを立て直した。新しい仕組み:1トレード最大1.5%、負荷は最大6%、B級の場面は見送る(我慢はリスク管理である)、ナンピンはゼロ、drawdown手順を徹底。結果:31トレード、23勝(勝率74.2%、以前は47%)、週の最大損失は-510ドル(以前は-9,200ドル、-94%)、最大drawdownは-8.4%(以前は-69.2%、-88%)、26週間でリスク手順の違反はゼロ。口座:1万5,400ドル → 2万7,700ドル(+79.9%の回復。ただし5万ドルの最高値からはまだ-44.6%で、完全に戻すにはさらに12〜18か月かかる)。
3万4,600ドルを失ったあとのケビンの助言: 「15週間で3万4,600ドルを失ったのは、『気をつける』ことがリスク計画だと思っていたからだ。違う。プロのリスク管理とは、自分では覆せない固い上限のことだ。1トレード最大2%、総負荷最大6%、-20%のdrawdownで取引をやめる。例外なし。そのルールのおかげで、残っていた1万5,000ドルまで飛ばさずに済んだ。全体ではまだマイナスだが、二度と自滅させない仕組みの上で建て直している。数学はあなたの自信になど関心がない。関心があるのはあなたのルールだ。-15%のdrawdownでプロはサイズを半分にする。-20%で止める。私は-69%まで満玉のまま走った。口座はこうして死ぬ。代償:避けられたはずの損失3万4,600ドルと、12か月を超える回復期間。リスクを任意のものとして扱ったせいで、私はキャリアを終えかけた。プロの枠組みは提案ではない。生き残るための手順だ。」
ケーススタディの設問:ケビンは14か月間プラス(月3〜4%)だったにもかかわらず、15週間で3万4,600ドル(-69.2%)を失った。彼の転落:1〜3週:ポートフォリオ負荷18〜22%(相関ポジション)、-16.8%のdrawdown。4週:「取り返す」ためにサイズを引き上げ、負荷24%に。5〜6週:-32%のdrawdown、負荷32%。8週:-52%のdrawdown、ナンピンを開始(BTCで3倍、「そのうち戻る」)。12〜15週:-69.2%のdrawdown、感情だけの報復トレード。違反:1トレードあたり6〜8%(上限は2%のはず)、ポートフォリオ負荷22〜32%(上限は6%のはず)、ナンピン14回、drawdown手順ゼロ(プロは-20%で止まる)。口座:5万ドル → 1万5,400ドル。ケビンの致命的な誤りは何か。
正解:C。 ケビンの崩壊:仕組みとしての手順ではなく「勘」によるリスク管理。「気をつける」を計画だと思っていたが、そうではない。プロのリスク管理=覆せない固い上限。ケビンの違反:(1) プロが上限6%に収めるところを、ポートフォリオ負荷22〜32%(プロップファームは8%で自動強制決済。彼はその4倍を取っていた)。(2) drawdown手順なし。プロが-15%で半減し-20%で止めるところを、-32%のdrawdownでサイズを上げた。満玉のまま-69%のdrawdownまで走った。(3) ナンピン14回。8週:-52%のdrawdownでBTCを3倍に。(4) 1トレードのリスクが6〜8%、プロの上限2%に対して。1回の損失3,000〜4,000ドルが何週間分もの利益を消した。転落:1〜3週:-8,400ドル、手順なし。5〜6週:-32%のdrawdown、止まるべきだったのに負荷32%、-7,600ドル。8週:-52%のdrawdown、ナンピン。12〜15週:-69.2%のdrawdown、報復トレード。限界点:プロップファームのトレーダーが機関投資家の枠組みを示した。1トレード最大2%、負荷最大6%、drawdown手順(-15%で50%縮小、-20%で停止)。立て直し:厳格な上限を徹底 — 1トレード最大1.5%、負荷最大6%、ナンピンゼロ、drawdown手順。結果:勝率47%→74.2%、週の最大損失-9,200ドル→-510ドル(-94%)、最大drawdown-69.2%→-8.4%(-88%)、26週間で違反ゼロ。1万5,400ドルから2万7,700ドルまで戻したが、最高値からはまだ-44.6%(12〜18か月)。教訓:-15%のdrawdownでプロは半減する。-20%で止める。私は-69%まで満玉のままだった。代償:3万4,600ドルと12か月超の回復期間。
プロのリスク・ピラミッド
第1層:1トレードのリスク(土台)
ルール:1トレードで1〜2%を超えるリスクは決して取らない。
1万ドルの口座
最大リスク:1%=1トレード100ドル
エントリー例:100ドル、ストップ例:99ドル
株数:100ドルのリスク ÷ 1ドルのストップ幅 = 100株
第2層:ポートフォリオ負荷(総リスク)
ルール:ポートフォリオの総リスクが6〜8%を超えてはならない。
トレード1:リスク2%(200ドル)
トレード2:リスク2%(200ドル)
トレード3:リスク1.5%(150ドル)
トレード4:リスク1.5%(150ドル)
総負荷:7%(700ドル)
次のトレードは待つしかない(負荷の上限に達している)
第3層:drawdownの制御(生き残り)
ルール:drawdownが15〜20%を超えたら、サイズを落とすか取引をやめる。
口座の最高値:1万2,000ドル
現在:1万200ドル
Drawdown:(1万2,000ドル - 1万200ドル)÷ 1万2,000ドル = 15%
対応:drawdownが10%未満に戻るまでサイズを50%落とす
🧮 drawdownからの回復を計算する
drawdownを取り返すのにどれだけ稼ぐ必要があるかを正確に見る。数字は容赦がない。20%の損失を戻すには25%の利益が要る。
drawdown回復計算機 →ケリー基準(最適なポジションサイズ)
ケリーの式
最適なリスク割合 =(勝率 × 平均R -(1 - 勝率))÷ 平均R
戦略のデータ:
勝率:60%
平均R:R:2:1
ケリー% =(0.60 × 2 - 0.40)÷ 2
=(1.20 - 0.40)÷ 2
= 0.80 ÷ 2
= 0.40 = 40%
警告:40%は攻めすぎだ(悪い連敗が一度来れば40%の損失)。
分数ケリー(保守的)
ケリーの結果の25〜50%を使う。
フルケリー:40%
ハーフケリー:20%(それでも攻めすぎ)
クォーターケリー:10%(保守的、推奨)
大半のプロ:1/4〜1/2ケリー
🧮 新着:ケリー基準計算機
勝率とリスクリワード比から最適なポジションサイズを計算する。フルケリー、分数ケリー、そしてフルケリーを決して使ってはいけない理由が分かる。
ケリー計算機 → 期待値計算機 →ケリーの実践例
戦略:期待値55%、平均R:R 2.5:1
ケリー =(0.55 × 2.5 - 0.45)÷ 2.5 = 0.37 = 37%
クォーターケリー = 9.25%
1万ドルの口座 → 最大リスクは1トレード925ドル
だが1トレードのルールは上限2%=200ドル
2つのうち小さいほうを取る → 1トレード200ドル
動的なポジションサイズ
方法1:残高に応じたサイズ
サイズが口座の価値に合わせて変わる。
ルール:現在の残高の2%をリスクにする
開始:1万ドル × 2% = 200ドルのリスク
利益のあと:1万2,000ドル × 2% = 240ドルのリスク(引き上げ)
損失のあと:9,000ドル × 2% = 180ドルのリスク(引き下げ)
利点:drawdownのあいだ自動的にサイズが小さくなる
方法2:ボラティリティに合わせたサイズ
サイズはボラティリティ(ATR)に反比例する。
目標リスク:200ドル
銘柄A:ATR = 2.00ドル → サイズ = 200ドル ÷ 2ドル = 100株
銘柄B:ATR = 5.00ドル → サイズ = 200ドル ÷ 5ドル = 40株
ボラティリティが高いほど小さいポジション(ドル建てリスクは同じ)
方法3:場面の質に応じたサイズ
良い場面ほど大きく張る。
| 場面の格付け | リスク% | 例 |
|---|---|---|
| A+(完璧) | 2.0% | 複数の時間軸がそろい、ダブルスイープ、POC |
| A(優秀) | 1.5% | HTFとそろい、単発のスイープ |
| B(良好) | 1.0% | 部分的にそろっている |
| C(見送り) | 0% | 矛盾するシグナル |
drawdown管理の手順
drawdownの段階
| Drawdown | とるべき行動 |
|---|---|
| 0-10% | 通常(変更なし) |
| 10-15% | 注意(サイズを25%落とし、トレードを見直す) |
| 15-20% | 警告(サイズを50%落とし、A級の場面だけにする) |
| 20-25% | 危険(サイズを75%落とすか、取引をやめる) |
| > 25 % | 停止(取引をやめ、戦略を全面的に見直す) |
復帰の手順
回復したからといって、すぐ満玉に戻さないこと。
Drawdown:18% → サイズを50%に縮小
口座がdrawdown 5%まで回復
復帰計画:
1〜2週:サイズ50%(安定を確かめる)
3〜4週:サイズ75%(安定していれば)
5週以降:サイズ100%(再び利益が出ていれば)
drawdownの心理的な限界
研究によれば、20〜25%のdrawdownが心理的な限界点になる。
1万ドルの口座 → 7,500ドル(25%のdrawdown)
感じ方:「3か月分の利益を失った」
結果:感情的な取引、報復トレード、40%超のdrawdownへの転落
予防:20%のdrawdownで強制停止(休みを義務づける)
破産確率
破産確率とは何か
口座を丸ごと失う確率のこと。
成績:50%
1トレードのリスク:10%(高すぎる!)
破産確率:約50%(コイン投げで口座が飛ぶ)
成績:55%
1トレードのリスク:2%
破産確率:< 1 %(安全)
破産確率の式(簡略版)
破産確率 ≈((1 - 勝率)÷ 勝率)^(最大トレード数)
例:
勝率:60%
破産までに耐えられる連敗数:20
破産確率 =(0.40 ÷ 0.60)^20 ≈ 0.0003 = 0.03%(きわめて安全)
破産確率を下げる
- 1トレードのリスクを下げる (5〜10%ではなく1〜2%)
- 期待値を上げる (より良い場面、より良い執行)
- R:Rを上げる (最低でも2:1を狙う)
- 分散する (相関のないポジションは同時の損失を減らす)
相場状態に応じたリスク調整
トレンド局面(低リスク)
Volume Oracle:Trending Up
戦略:押し目買い(トレンドと同じ向き)
リスク:1トレード2%(通常)
確信度:高い(トレンドと同じ向き=優位)
レンジ局面(中リスク)
Volume Oracle:Ranging
戦略:両端を逆に取る
リスク:1トレード1%(縮小、Rの目標も低い)
確信度:中くらい(目標が近く、Rが小さい)荒れた局面(高リスク)
Volume Oracle:Volatile
戦略:手を出さない、またはA+級の場面だけ
リスク:1トレード0.5%(大幅に縮小)
または:0%(トレードせず、状態の転換を待つ)
高度なストップロス戦略
戦略1:ATRを基準にしたストップ
ストップ = エントリー ±(1.5〜2.0 × ATR)
エントリー例:100ドルの買い
ATR:2.00ドル
ストップ例:100ドル -(1.5 × 2ドル)= 97.00ドル
理由:通常のボラティリティに余地を与え、ノイズで狩られないようにする
戦略2:構造を基準にしたストップ
重要な構造(スイングの安値・高値)の下または上にストップの帯を置く。
エントリー例:100.50ドルの買い(99.80ドルまでのスイープのあと)
構造:99.80ドルで払われた安値
ストップ例:99.50ドル(払われた安値の下+余裕)
理由:構造が壊れれば、その場面は無効になる
戦略3:時間を基準にしたストップ
X本のローソク、あるいはX時間で動かなければ手仕舞う。
エントリー例:100ドルの買い
想定:10本以内に102ドルへ
現実:10本後、価格は100.20ドル(止まっている)
対応:手仕舞う(場面が展開していない、資金が縛られている)
戦略4:トレーリングストップ
トレードが有利に進むにつれてストップを動かし、利益を確定していく。
エントリー例:100ドル、ストップ例:98ドル、目標例:105ドル
価格が103ドルに達したら:
- ストップを100.50ドルへ(建値+余裕)
- これでこのトレードは、ストップを飛び越すギャップがない限り建値以下では終われない
価格が104ドルに達したら:
- ストップを102ドルへ(2ドルの利益を確定)
価格が102ドルまで戻る → 2ドルの利益でストップ(100ドルまで持ち続けた場合と比べて)
プロのリスク管理の枠組み
日々のリスク・チェックリスト
- [ ] 現在の残高:______ ドル
- [ ] 最高値:______ ドル
- [ ] Drawdown:______ %
- [ ] 保有ポジション数:___
- [ ] 総負荷:______ %
- [ ] 相場状態(Volume Oracle): ______
- [ ] 今日の1トレードのリスク:______ %
エントリー前のリスク確認
- [ ] ポジションサイズを計算済み(リスク%、ATR基準)
- [ ] ストップロスを決めてある(構造基準、ATR基準)
- [ ] R:R ≥ 2:1 を確認済み
- [ ] エントリー後のポートフォリオ負荷 < 8 %
- [ ] Drawdown < 15 %(そうでなければサイズを落とす)
- [ ] 場面の格付け:A/B(Cなら見送る)
トレード後の振り返り
- [ ] 実際のRと想定のR(計画どおりに執行できたか)
- [ ] ストップに早く刺さりすぎたか(狭すぎる。ATRの倍率を調整する)
- [ ] 目標に届いたか(欲張りすぎ。目標を調整する)
- [ ] トレード中の心理状態(落ち着いていた=良い、慌てた=悪い)
機関投資家のリスク規定
規定1:1日の最大損失
社内規定:1日で3%を失ったら → 取引をやめる
10万ドルの口座
1日の最大損失:3,000ドル
午前11時に-3,000ドルなら → 全ポジションを閉じ、その日は終了
規定2:1週間の最大損失
1週間の最大損失:5%
水曜までに5%に達したら → 翌週まで新規トレードなし
規定3:月間のdrawdown上限
月間の最大drawdown:10%
10%のdrawdownに達したら → その月の残りはサイズ50%に戻す
Signal Pilotとのリスク統合
Janus Atlas:構造を基準にしたストップ
Janusのスイープが99.50ドルまで
エントリー例:100.20ドル
ストップ例:99.20ドル(払われた安値の下+ATRの余裕)
R:R:(目標105ドル - 100.20ドル)÷(100.20ドル - 99.20ドル)= 4.8R
Volume Oracle:相場状態に応じたリスク調整
トレンド:1トレード2%のリスク
レンジ:1トレード1%のリスク
荒れ相場:1トレード0.5%のリスク、または手を出さない
Plutus Flow:ATRを基準にしたサイズ
銘柄:BTC、ATR = 500ドル
目標リスク:400ドル
ポジション:400ドル ÷ 500ドルのATR = 0.8 BTC(名目でおよそ3万6,000ドル)
要点
- 3層のリスク:1トレード(1〜2%)、ポートフォリオ負荷(6〜8%)、drawdown(< 20 %)
- ケリー基準:1/4〜1/2ケリーを使う(フルケリーは使わない)
- 動的なサイズ:残高、ボラティリティ、場面の質に合わせて調整する
- drawdown手順:15%=サイズを落とす、20%=取引をやめる
- 相場状態に応じたリスク:荒れているときは縮小するか手を出さない
🎯 実践課題:ポートフォリオ負荷とdrawdownの想定演習
目的: 実際のポートフォリオ負荷を計算し、drawdownに備えた緊急手順を作る。
想定1:いまのポートフォリオ負荷を計算する
1万ドルの口座に、次の建玉があるとする:
- トレード1:SPYの買い、エントリー520ドル、ストップ516ドル(200株)= 800ドルのリスク
- トレード2:TSLAの売り、エントリー250ドル、ストップ255ドル(50株)= 250ドルのリスク
- トレード3:BTCの買い、エントリー4万5,000ドル、ストップ4万4,000ドル(0.15 BTC)= 150ドルのリスク
計算せよ:
- ドル建ての総リスク:______ ドル
- ポートフォリオの総負荷(%):______ %
- リスク2%のトレードをもう1つ取れるか。はい/いいえ(理由も)
想定2:最大drawdownの手順
3週間前、あなたの口座は1万2,000ドルの最高値をつけた。連敗のあと、いまは9,600ドルだ。
- 現在のdrawdown:______ %(計算過程も示すこと)
- drawdown手順に従うと、どう対応すべきか。
- 次のトレードのポジションサイズはどうあるべきか。(通常は2%=240ドル)
- どの残高まで戻れば満玉に復帰できるか。
想定3:破産確率の比較
1万ドルの口座を持つ2人のトレーダーを比べる:
| トレーダー | 成績 | 1トレードのリスク | 破産確率 |
|---|---|---|---|
| トレーダーA | 55% | 10% | ~40% |
| トレーダーB | 55% | 2% | < 1 % |
問い: 2人の期待値は同じだ。なぜトレーダーAの破産確率は40倍も高いのか。そこから学ぶべき核心は何か。
想定4:動的なポジションサイズ
あなたは普段1トレードで2%のリスクを取る。残高に応じた動的サイズを使うと:
- 開始:1万ドルの口座 → 2%=1トレード200ドルのリスク
- 利益のあと:1万1,500ドルの口座 → 2%=1トレード______ドルのリスク
- drawdownのあと:9,000ドルの口座 → 2%=1トレード______ドルのリスク
この方法が1トレード200ドル固定より優れているのはなぜか。
重要なルール: どれかの想定で負荷が8%を超える、あるいはdrawdownが15%を超えるなら、サイズを落とすか取引をやめなければならない。生き残ることが利益に優先する。
📝 理解度チェック
高度なリスク管理をどこまで理解したか試そう:
2万ドルの口座が2万2,500ドルの最高値をつけ、その後1万9,125ドルまで下がった。いま4ポジションを持っている:AAPL(リスク300ドル)、TSLA(400ドル)、SPY(350ドル)、NVDA(380ドル)。ポートフォリオの総負荷 = 1,430ドル ÷ 1万9,125ドル = 7.5%。どうすべきか。
あなたの成績:勝率60%、平均利益450ドル、平均損失250ドル。ケリー基準では:K =(0.60 × 450ドル - 0.40 × 250ドル)÷ 450ドル = 0.378 = 37.8%。口座は1万5,000ドル。どのポジションサイズを使うべきか。
先月のトレードを見直している。8トレードを行い、勝ち6回が平均+600ドル、負け2回が平均-400ドルだった。ただし1トレードあたり8ドルの手数料(合計64ドル)を払い、slippageは120ドルと見積もった。証券会社の明細では純P&Lが+2,416ドルとなっている。あなたの戦略は儲かっているか。
演習
演習1:自分のリスクを計算する
口座:1万5,000ドル。1トレードの最大リスク:1.5%。エントリー例:50ドル、ストップ例:48ドル。何株になるか。
演習2:drawdown手順
最高値:2万ドル。現在:1万6,500ドル。drawdownは何%か。手順はどう対応せよと言っているか。
素人はトレードを管理する。プロはリスクを管理する。drawdownを生き延びれば、上昇局面で花が開く。
理解度の確認
問1:ケビンに3万4,600ドルを失わせた致命的な誤りは何か。
正解です。 ケビンの崩壊は、リスクの手順がまったくなかったことから来ている。ポートフォリオ負荷22〜32%を取り(プロップファームは8%で自動強制決済)、-32%のdrawdownに達してサイズを上げ(プロは-20%で止まる)、上限なしで取引を続けた。リスクを任意のものとして扱っていた。結果:15週間で-3万4,600ドル。プロの枠組みには固い上限が要る。1トレード最大2%、ポートフォリオ負荷最大6〜8%、-15%のdrawdownでサイズを50%縮小、-20%で停止。
問2:プロのリスク・ピラミッドによれば、推奨されるポートフォリオ負荷(同時に抱える総リスク)の上限はいくつか。
正解です。 プロのリスク・ピラミッド第2層:ポートフォリオ負荷が6〜8%を超えてはならない。例:リスク2%、2%、1.5%、1.5%の4トレードを持てば、総負荷は7%になる。次のトレードは、どれか1つが閉じるまで待たなければならない。ケビンは22〜32%の負荷を取っていた。機関投資家の上限のほぼ4倍だ。プロップファームが8%で自動強制決済するのはこのためで、この閾値を超えると破滅的なリスクが生まれる。
問3:機関投資家のdrawdown手順では、口座が-15%のdrawdownに達したときどう対応すべきか。
正解です。 -15%のdrawdownでプロはサイズを50%落とす。-20%のdrawdownでは取引を完全にやめる。ケビンは-32%に達しても満玉のまま走り、さらにサイズを上げて-69.2%まで行ってからようやく止まった。計算してみればいい。-15%で落としていれば2万ドル以上を守れた。drawdown手順は提案ではない。感情による転落を防ぐ、生き残りの仕組みだ。
問4:ケリー基準は何のためのもので、プロはなぜ分数ケリーを使うのか。
正解です。 ケリー基準の式:(勝率 × 平均R:R -(1 - 勝率))÷ 平均R:R。勝率60%、R:R 2:1なら、フルケリーは40%になる — 攻めすぎだ(悪い連敗が一度来れば40%の損失)。プロは1/4〜1/2ケリーを使う。例:40%のケリーのクォーターは10%のリスク。ただし1トレード2%という上限は依然として適用される。ケリーと2%のうち、小さいほうを取ること。
問5:残高に応じたサイズと、最高値に応じたサイズの違いは何か。
正解です。 残高に応じたサイズ:現在の残高の2%をリスクにする(1万ドル → 200ドル、利益のあと1万2,000ドル → 240ドル)。最高値に応じたサイズ:最高値の2%だけをリスクにする(最高値1万2,000ドル → いま1万ドルでも240ドルのリスク)。安全な既定は残高に応じたサイズであり、drawdown手順と噛み合うのもこちらだけだ。口座が下がれば、ドル建てのリスクも自動的に一緒に下がる。最高値に応じたサイズは、口座が痩せていくあいだもドル建てのリスクを据え置く。だから損失のたびに残りの中で占める割合が大きくなる — ケビンを-32%から-69%へ運んだのと同じ算術だ。最高値に応じたサイズは、回復後にどの規模まで戻ってよいかを決めるときにだけ使うこと。まだマイナスのうちに満玉を維持する口実にしてはいけない。
関連レッスン
⏭️ 次回
レッスン#34:トレード日誌を極める — 成績の指標を追い、儲かるトレーダーと負けるトレーダーを分ける型を見つける。
教育目的のみ。 トレードには重大な損失リスクが伴います。過去の実績は将来の結果を保証するものではありません。
💬 ディスカッション (コメント0件)
コメントを読み込んでいます…
教育目的のみ。 トレードには重大な損失リスクが伴います。金融助言ではありません。過去の実績は将来の結果を保証するものではありません。