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🟢 初級 • レッスン17/85

期待値

読了時間 約8分 • モジュール3:不確実性・リスク・破産
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プロ向けトレーディング教育
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エッジとは数であって、チャートについての感覚ではありません。E = p·b − (1−p)であり、自分がリスクにさらす額を単位として測ります。自分のものを書き出せないなら、持っているのはエッジではなく、エッジがあってほしいという望みです。そして本物のお金がかかると、この二つはまるで違う振る舞いをします。 十回に七回勝つ手法が一回ごとに0.125Rを失い、十回に四回しか勝たない手法が1.40Rを稼ぐことがあり、その差はまるごと一行の計算です。

前提条件: レッスン10、Rと、この数が超えなければならないコストとを定義した回です。レッスン16、損益分岐の勝率を最後に計算した回です。それが特別な場合だとは、そのときは知りませんでした。

勝率はエッジではありません

セットアップを二つ取ります。一つめは十回のうち七回勝ち、その勝ちは負けの四分の一の大きさです。二つめは十回のうち四回勝ち、その勝ちは負けの五倍の大きさです。選べと言われたほとんどの人は一つめを選びます。七十パーセントは腕前のように聞こえ、四十パーセントは問題のように聞こえるからです。

一つめは平均すると損をし、二つめは平均すると負け一回分より多くを取り返します。そこに逆説はなく、判断力も関係しません。ただの一行の算術です。勝率が人を惑わせるのは、それが二つある入力のうちの一つでありながら、答えのように読まれるからにすぎません。

その数と、それが乗っている単位

E = p·b − (1−p)

ここでpは勝つトレードの割合、bは平均の勝ちを平均の負けで割った値です。レッスン10はリスク一単位をRと呼びました。ここではすべてがその単位で測られます。負けは定義により1R、勝ちはそのb個分、そしてEは一回のトレードが平均していくらの価値になるかを、同じ単位で表したものです。

ドルではなくRで考えるのは、書き方の好みではありません。口座の大きさが変わっても、銘柄が変わっても、建玉が変わっても数が生き残るのはそのためであり、去年計算したEと今日計算するEとが比べられるのもそのためです。ドルで表した数はあなたの口座についての数です。Rで表した数はあなたの手法についての数です。

bとは実際のところ何か

自己欺瞞の大半はbに住んでいます。チャートに引いた目標と取り違えやすいからです。それは目標ではありません。実際に確定した平均の勝ちを、実際に受け入れた平均の負けで割ったものであり、その差はすべて手仕舞いのほうにあって、仕掛けのほうにはありません。ストップをどこに置くかはレッスン21が決めます。bは、置いたあとに何が起きたかの記録です。

コストを戻し入れる

レッスン10はsを与えました。往復にかかるコストを、自分がリスクにさらす額に対する割合として表したものです。それは単純な引き算でこの数に入ります。

コスト差引後のE = p·b − (1−p) − s

つまり、戦略は間違っていなくても損をします。sより正しさが足りないだけで十分であり、前のモジュール全体が、sは思われているより大きいという論証でした。

本当に必要な勝率

Eをゼロと置いてpについて解くと、セットアップがちょうど自分の代金を払うだけの勝率が出ます。

損益分岐のp = (1 + s) ÷ (b + 1)

冒頭の二つのセットアップに戻ります。一つめはb = 0.25ですから、損益分岐は1 ÷ 1.25、つまり80%で、勝率は70%です。E = 0.70 × 0.25 − 0.30 = −0.125Rが一トレードあたりの値になります。二つめはb = 5ですから、損益分岐は1 ÷ 6、つまり16.7%で、勝率は40%です。E = 0.40 × 5 − 0.60 = +1.40Rが一トレードあたりの値になります。七十パーセントでは足りず、四十パーセントは必要の二倍を超えていました。

次に、取引コストのある場合とない場合の関係全体です。右の列はs = 0.17を使います。レッスン16がレッスン12の中型株から組み立てた数字です。

利益とリスクの比 b損益分岐の勝率、コストなしs = 0.17のとき
0.2580.0%93.6%
0.566.7%78.0%
150.0%58.5%
233.3%39.0%
516.7%19.5%

真ん中の行は立ち止まる価値があります。そこにある二つの数は、どちらも見たことがあるからです。b = 1でコストなしなら損益分岐は50%で、これはレッスン10が費目を足す前に出発した土台です。b = 1でs = 0.17なら58.5%で、これはレッスン16が反対側からたどり着いた数字そのものです。三つのレッスン、一つの式、そしてこの一致は偶然ではありません。先の二つは、bを1に固定したこの式だったのです。

最初の列を上から下へ読めば、そのトレードオフがはっきり見えます。勝率を上げる一歩ごとに、より小さいbを受け入れることで代金を払っています。表はその為替レートに値段をつけているのです。表がしてくれないのは、どの行に立つべきかを教えることです。それは二つのうちどちらを実際に出せるのかという問いであり、答えるのは自分の記録だけだからです。

これで片づかないこと

Eが正であることが約束だということ。それは平均であり、平均はトレードがどんな順番で来るかについては何ひとつ言いません。本当に期待値が正の手法でも、疑いたくなるほど長い連敗を渡してきます。どれだけ長いかはレッスン18です。

ひと握りのトレードから計算したEも、まだEではありません。pもbも標本からの推定であり、小さい標本は、周りに広い誤差を抱えた数を返します。しかもそれは、良い数とまったく同じくらい精密に見えます。数字が意味を持ちはじめるまでに何トレード必要かはレッスン19であり、それはほとんどの人が思うより大きな数です。

そしてEが正でも、いくら賭けるべきかは教えてくれません。教えてくれるのは、その勝負に乗る価値があるということだけです。賭ける大きさは別の計算であり、別の壊れ方をします。それがレッスン20です。前者を正しく、後者を誤るというのは、本物のエッジを持ちながらお金を失う、たいへん人通りの多い道です。

最後に、これらはどれも記憶からは計算できません。pとbは直近五十トレードについての事実であり、そのときに書き留めていなければ、手元にあるのは入力ではなく印象だけです。レッスン23はそれを直す十の項目についてのレッスンで、この回より退屈で、価値があります。

そしてpとbは、別々に回せる二つのつまみではありません。表はそう匂わせており、下の三つ目の問題はそれをやれと言っています。両者は手仕舞いのところでつながっています。目標を遠くへ置けばbは上がり、pは下がります。そこまで届く取引が減るからです。表が値段をつけている交換比率は本物ですが、その交換は差し出されたものではなく強いられたものです。三つ目の問題の唯一正直なやり方は、前回あなたが目標を動かしたときにpが実際どれだけ下がったかを測ることであり、その数字はあなたの記録のなかにあって、このページにはありません。

二つの数、一行の算術、そしてチャートがどう見えたかを気にしない答え。ほとんどの人はそれを書き出しません。だからほとんどの人は、間違った変数について言い争っているのです。

練習問題

  1. 自分のEを計算する。直近五十トレードから、勝った割合を取ってpとし、平均の勝ちを平均の負けで割ってbとします。両方をp·b − (1−p)に入れてください。これで、自分のトレードを表す数が一つ手に入ります。しかも口座の大きさが変わっても意味を保つ単位で、です。目に入る場所に書いておいてください。
  2. 自分が立っている行を見つける。表で自分のbを探し、そのまま横に読んで必要な勝率を見ます。いま計算したpと比べてください。その二つの数の隔たりが、あなたのエッジのすべてであり、「何について間違うのをやめなければならないか」という形で表されています。もし負なら、あと五十トレード続けてもより高くついて確かめられるだけだったことを、いま学んだわけです。
  3. 変数を一つ動かす。 bを1.5倍にしてpはそのままでEを計算し直し、次にpを五パーセントポイント上げてbはそのままでもう一度計算します。二つのうち一方のほうが数を大きく動かします。どちらかは、表のどこにいるかで決まります。それが取り組むべき変数であり、いまや好みではなく理由があってそれを選べます。

出典。 Van K. Tharp, Trade Your Way to Financial Freedom、あらゆる結果をリスクにさらした額の倍数で表すという習慣はここから来ており、このレッスンが通貨ではなくRで測るのもそのためです。 J. L. Kelly Jr.、「A New Interpretation of Information Rate」(Bell System Technical Journal 35, 1956)。正の期待値こそがあらゆるサイズ決定の規則の前提条件であることを打ち立てた論文であり、レッスン20が引き継ぎます。 Edward Thorp, Beat the Dealer (1962)。小さな正の期待値でも、大きさを正しく決めて繰り返せば、ほとんどの打ち手が勝てないと確信しているゲームに勝つ。それを示したものとして、いまなお最も明快です。

これであなたは、自分のエッジが一トレードあたりいくらの価値かを言えます。次のレッスンは、その平均がまだ平均になる途中にあるあいだ、それがどう感じられるのかを問います。その答えこそが、うまくいっていた手法を人に手放させるものだからです。

関連レッスン
レッスン10

どの取引もマイナスから始まる

Rがどこから来るのか、そしてこの数が差し引くコストsについて。

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レッスン18

エッジはどう感じられるか

同じ平均が、平均には見えない順番で届くこと。

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レッスン20

ポジションサイジング

正の数を手にしたあと、それをどうするか。

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レッスン23

記録をつける

それがなければpとbが測定ではなく印象になってしまう、十の項目。

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教育目的のみ。 トレードには重大な損失リスクが伴います。金融助言ではありません。過去の実績は将来の結果を保証するものではありません。

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