急ぐことの値段
マーケットインパクトは大きいことへの罰ではない。急ぐことの値段であり、標準的な見積もりはそれを正確に言う。あなたが起こす動きは、あなたの商品の日次ボラティリティに、その日の出来高に対する注文の割合の平方根を掛けたものだ。逆向きに回せば、インパクトが十分の一パーセントに届くまでにいくら売買できるかが出る。レッスン57が値をつけた五つの商品では、その閾値は上場投資信託で3億5800万ドル、超小型株で1,050ドル。三十四万一千対一の開きが、二万四千三百対一のドル出来高の開きに対して立っている。余分な14倍は、両者のボラティリティの比の二乗にちょうど等しい。次にインパクトをレッスン57が値づけした時計と突き合わせると、最適解にはボラティリティがまったく残らない。最良の立会い数は、注文の大きさを出来高日数で測った値の平方根を、リスクを1ドル手放すために払ってもよい確実な費用で割ったものである。
前提条件: レッスン11。前にある厚みより大きい成行注文は板を歩き、食べた段ごとに払うことを示した回である。レッスン57。日程、参加率、そして立会い数の平方根で伸びる時間リスクのため。そしてレッスン12。どんな費用も、大きいかどうかを決める前に、その商品が一日に動く幅で割る習慣のため。
あなたが大口になる大きさ
どの執行部門も同じ最初の見積もりを使い、それは一行に収まる。価格があなたに逆らって動く割合は、商品の日次標準偏差に、注文をその日の出来高で割った値の平方根を掛けたものだ。入力は二つ、どちらも気配ページに載っている。そして平方根が仕事のすべてをする。レッスン57は取引の反対側で同じ平方根を使い、そこでは積極性を四倍にしても時間リスクは半分にしかならなかった。ここでは同じことがインパクトに起きる。支払いを二倍にするには、送る量を四倍にしなければならない。
順に読めば、誰も持っていない問いに答える。逆に読めば、誰もが持っている問い、つまりこれが自分に当てはまるのかどうかに答える。受け入れてよいインパクトを決めれば、大きさは自ずと決まる。その日の出来高に、そのインパクトと日次ボラティリティの比の二乗を掛けたものだ。二乗がすべてである。二倍のインパクトを受け入れれば四倍の大きさを送れるし、ボラティリティが半分の商品なら同じ費用で四倍の大きさを送れる。
以下はレッスン57が百万株を通した五つの商品を、逆向きに値づけしたものだ。各行は、見積もりインパクトが十分の一パーセントに、次いで四分の一パーセントに届くまでに、ポジションがいくらの値打ちでなければならないかを問う。第一列はその商品が一立会いで回す金額、単位は百万ドル。日次ボラティリティは年率の数字を252の平方根で割ったものである。
| 銘柄 | 一日のドル出来高、百万ドル | 日次ボラティリティ | 十分の一パーセント、ドル | 四分の一パーセント、ドル |
|---|---|---|---|---|
| ETF | 36,400 | 1.01% | 358,300,000 | 2,239,000,000 |
| 超大型株 | 4,000 | 1.58% | 16,128,000 | 100,800,000 |
| 中型株 | 240 | 2.21% | 493,700 | 3,085,700 |
| 小型株 | 24 | 2.84% | 29,900 | 186,700 |
| 超小型株 | 1.5 | 3.78% | 1,050 | 6,560 |
最後の二行を一行目と突き合わせて読んでほしい。ファンドはインパクトが十分の一パーセントに届くまでに3億5800万ドルを吸収する。小型株は29,900ドルを吸収する。それはごく普通の証券口座に収まるポジションの大きさであり、ごく普通の個人が持っていてもおかしくない銘柄でのことだ。超小型株は1,050ドルを吸収する。これは非常に多くの人の最初のポジションより小さい。
つまりこの話題のあらゆる記事の書き出し — マーケットインパクトは機関投資家の問題だ — は、条件つきで正しい。そしてその条件は口座ではなく商品にかかっている。これは流動性の問題である。薄い銘柄にいる個人は、指数商品にいるファンドよりも深くその中にいる。流動性の乏しい銘柄で、画面が示していたよりも悪い約定が入ってきた覚えがあるなら、その計算はこのページにあり、原因はあなたのブローカーではない。
表の中の一つの数字は取り出す価値がある。観察ではなく恒等式だからだ。閾値は上の行から下の行まで三十四万一千対一に広がるのに対し、ドル出来高は二万四千三百対一しか広がらない。余分な14.06倍は偶然でもこの五つの商品の性質でもない。それは3.75の二乗にちょうど等しく、3.75は超小型株の日次ボラティリティとファンドのそれとの比である。出来高もボラティリティも閾値を押すが、比が二乗される分だけボラティリティのほうが強く押す。
平方根はどこから来て、どこで止まるのか
この法則は理論である前に経験則である。約定データの中に見出され、多くの商品と幾つもの年代にわたって成り立ち、あまり議論なく普遍的と呼ばれる程度には持ちこたえている。導出はいくつもあり、指数については一致しながら仕組みについては互いに矛盾している。それがこの分野の状態のまずまず正しい説明だ。指数は真面目に、係数は軽く受け取るとよい。
この講座がもともと持ち歩いている系列に錨を下ろそう。レッスン38から走らせている六十本の終値は、一本あたりの標準偏差が1.50パーセントある。それを逆算式に入れると、こういう商品では一日の出来高の0.45パーセントであなたは大口になり、その2.8パーセントで四分の一パーセントを払う、と出る。どちらも一日のうちの大きな割合ではない。どちらも、専門的な助言が警告を始める五から十パーセントよりはるかに下である。
この法則は分割の規則もただでくれる。注文を複数の立会いに等分すれば、インパクトは一から立会い数の平方根の逆数を引いた分だけ下がる。五立会いで55.3パーセント、十立会いで68.4パーセント、四十立会いで84.2パーセント下がる。利得は頭打ちになる。だから誰も、とっくに効かなくなった費用の最後の数パーセントを節約するためにポジションを二か月に伸ばしたりはしない。
止まるのはおよそ一日の出来高の十分の一より上で、理由は統計的ではなく構造的だ。この見積もりは、自分の後ろで板が埋め戻されることを前提にしている。ある速さを超えると埋め戻されない。埋め戻すはずの人たちが、あなたが何をしているかを見抜いてしまうからで、それは同じ取引の反対側でレッスン58が測った逆選択と同じものである。その速さを超えると、実現費用はどんな指数よりも、その週その銘柄に誰がいるかに左右される。
反対側の時計
遅くするほどインパクトは下がり、レッスン57の時間リスクは遅くするほど上がる。だからどこかに底があり、それを見つける値打ちがある。一株あたりのインパクトを、ドル建ての日次ボラティリティに、注文の出来高日数を使った立会い数で割った値の平方根を掛けたものとして書き、一株あたりのエクスポージャーを、同じ日次ボラティリティに使った立会い数の平方根を掛けたものとして書く。そのエクスポージャーを1ドル減らすためにいくらの確実な費用を払うかという数字を一つ足せば、その和には最小値がただ一つある。
解いてみると、答えは何が抜け落ちるかで驚かせる。最適な立会い数は、注文の大きさを出来高日数で測った値の平方根を、その意欲の数字で割ったものだ。ボラティリティは消える。価格も消える。注文の大きさはその日の出来高との比としてしか入ってこない。それはレッスン57で日程が縮まっていった先と同じ量である。下の表は同じ百万株を、同じ五つの商品で、1ドルに対して1ドルという意欲のもとで走らせている。
| 銘柄 | 出来高日数 | 最良の立会い数 | それが求める参加率 | 十分の一が含意する意欲 |
|---|---|---|---|---|
| ETF | 0.014 | 0.12 | 12.0% | 0.837 |
| 超大型株 | 0.050 | 0.22 | 22.4% | 0.447 |
| 中型株 | 0.333 | 0.58 | 57.7% | 0.173 |
| 小型株 | 1.250 | 1.12 | 111.8% | 0.089 |
| 超小型株 | 6.667 | 2.58 | 258.2% | 0.039 |
第四列が今回の発見だ。リスクを1ドル手放すために確実な費用を1ドル払うなら、この取り替えは小型株にその日の出来高の112パーセントで回れと言い、超小型株には258パーセントで回れと言う。それは参加率ではなく、存在する以上を買えという指示である。その意欲のもとで文字どおりに受け取れば、この取り替えは出来高一日分を超えるどんな注文についても、市場が許すより速く売買せよと必ず言う。最適参加率が出来高日数の平方根として出てくるからで、注文が一日分を超えれば必ずそれも一を超える。
ならば逆に回して、十パーセントという慣行がどんな意欲を含意しているのかを問おう。それが最後の列で、一つの執行部門が一つの午後に抱えていてもおかしくない五つの商品のあいだで21.6倍も動く。慣行はモデルの答えではない。それは習慣であり、擁護できる習慣ではあるが、十パーセントを最適化の出力として示す人は、選択を計算として示している。
二つの規則はちょうど一つの注文サイズで交差する。参加率十パーセントは立会い数を出来高日数の十倍に置き、1ドルに対して1ドルの取り替えは出来高日数の平方根に置く。両者が等しくなるのは、注文が一日の出来高の百分の一のときだ。それより小さければ慣行のほうが速い。それより大きければ慣行のほうが遅い。表のファンドは交差のすぐ上にあり、だから0.14立会いと0.12という二つの数字がほとんど一致している。
底では二つの項が等しい
小型株を取って和を見よう。30ドルの株が百万株、一日の出来高は800,000株、年率45パーセント、つまり一日2.84パーセントで85セントである。注文は出来高1.25日分だ。半立会いで執行するとインパクトは一株1.34、エクスポージャーは0.60で、合わせて1.95。一立会いなら0.95と0.85で1.80。二立会いなら0.67と1.20で1.88。五立会いなら0.43と1.90で2.33。十パーセントの慣行が定める12.5立会いなら0.27と3.01で3.28になる。
底は1.118立会いにあり、それは1.25の平方根である。そこでの合計は一株1.798だ。その点で二つの項が何をしているかを見てほしい。インパクトが0.899、エクスポージャーが0.899。等しい。しかもこの数字の組み合わせだからそうなったのではない。
この等しさこそ役に立つ部分だ。定数が生き残らないところでも、これは生き残るからである。あなたのボラティリティが何であれ、出来高が何であれ、確実さにいくら払う気があろうと、和を最小にする日程は、払うインパクトと、担いでいるリスク加重のエクスポージャーとが等しくなる日程である。使うのにどちらの定数も知る必要はない。実際に走らせている日程について両方の項を見積もり、比べればよい。大きいほうがどちらへ動くべきかを教えてくれる。エクスポージャーよりインパクトが大きければ速すぎ、インパクトよりエクスポージャーが大きければ遅すぎる。
これを慣行に当てはめると辻褄が合う。それが誠実な終わり方だ。12.5立会いではインパクトが0.269、重みをかけないエクスポージャーが3.007。まるで等しくないから、1ドルに対して1ドルという条件では12.5立会いは底ではない。一株あたり1.478だけ高くつき、最小値より82パーセント上にある。エクスポージャーに、慣行が含意する意欲である0.089を掛ければ0.269になる。また等しい。慣行は最適である — 時間リスク1ドルを九セントと評価する執行部門にとっては。あなたの部門がそうかどうかは、市場ではなくあなたの部門についての問いだ。
これで片づかないこと
係数が一であること。ここに書いた形の法則はボラティリティの項の前に定数を置いていないが、公表された較正はそこに一つ置いており、市場と期間と誰のデータを使ったかによって、たいていは二分の一から一・五のあいだになる。二つの表のドル建ての数字はどれもそれに比例するので、係数0.6ならファンドの閾値は10億ドル近くに、超小型株のそれは2,900ドル近くになる。比例しないのは行と行の比であり、余分な14.06倍がボラティリティ比の二乗だという恒等式であり、取り替えの形である。表は水準ではなく幅として読んでほしい。
意欲の数字が測定値であること。測定値ではない。計算全体のなかで誰かの選好が入り込む唯一の場所であり、このページはそれを定数に折り込まずに見えるままにしておくことを意図してきた。公表された扱いはそれをリスク回避度と呼び、そのうえで選ぶ。その選択は、それが正当化するはずの12.5立会いという選択と同じ仕事をしている。あなたのそれがどうあるべきかは、ここには何も書いていない。
インパクトが払って戻ってくる費用であること。一部は一時的で、やめれば戻る。一部は恒久的で、市場は一方向に続く流れを、誰かが何かを知っているしるしとして読むからだ。ここでの見積もりは両者を分けておらず、その区別はポジションを持ち続ける人には効いてくる。恒久的な部分は悪くなった入り値であり、一時的な部分はやがて戻るのを見ることになる評価だからだ。このページにあるものはすべて合計である。
使うべきボラティリティが過去のものであること。二つの表は過去の年率の数字を252の平方根で割って使っている。それが手に入る数字だからだ。法則が本当に欲しがっている数字は、これから売買する窓でのボラティリティであり、二つはまさに効いてくるときに離れる。決算の前後、指数の入れ替え、そして誰か別の人が同じ銘柄を執行している日である。レッスン44がボラティリティを量として扱った話は、この入力にも他のどの入力にも同じように当てはまり、レッスン43は過去の数字がまさに間違いになる日を名指ししている。
五つの商品が分布をなすこと。なしていない。それらはレッスン57で、代表するためではなく幅を張るために選ばれたもので、三十四万一千対一という数字は、選ばれた幅の両端についての言明であって市場についての言明ではない。その下にある恒等式 — 閾値の比が出来高の比を上回る分はボラティリティ比の二乗にちょうど等しい — は厳密で、どんな二つの商品にも当てはまる。三十四万一千はその一例にすぎない。
そしてこのレッスンにいちばん高くつく譲歩。取引に値をつけたが、判断には値をつけていない。ここでのどの数字も、そのポジションが取る価値のあるものだと前提したうえで、取るのにいくらかかるかだけを問うている。だが、インパクトが優位を食い尽くす大きさは、ポジションを小さくすべき大きさでもあり、それはこのページが触れていないポートフォリオの問題だ。小型株の行を執行の問題として読む人は、午後をまるごとアルゴリズムに使うだろう。サイズの制約として読む人は十分で済ませ、より遠くまで行く。上の計算は、あなたの読み方がどちらかを教えてはくれない。そして正しいのは二つ目のほうが多い。
練習問題
- あなたが大口になる大きさを見つける。いちばんよく売買する三つの商品について、平均日次出来高をドルで、日次ボラティリティをパーセントで書き出す。0.1をボラティリティで割り、二乗し、ドル出来高を掛ける。それが、見積もりインパクトが十分の一パーセントに届くポジションだ。実際に取っているポジションと比べてみるとよい。十分もあれば足りる。そして三つのうち少なくとも一つでは答えが居心地の悪いものになる。
- 日次ボラティリティを仮定せずに測る。六十本の日足終値を取り、足から足への変化率を計算し、その標準偏差を取る。この講座の系列では一本あたり1.50パーセントになり、年率に直すと23.7パーセントである。同じ三つの商品でやってみて、答えを自分のプラットフォームが表示する数字と突き合わせる。窓の取り方も、年率換算するかどうかもプラットフォームによって違うからだ。三十分。そして最初の課題のどの数字も、これが合っているかどうかにかかっている。
- 自分の日程で等式を試す。実際に小分けして執行した注文を一つ取る。使った立会い数についてインパクトの項を計算し、次にエクスポージャーの項を計算し、その比を取る。インパクトのほうが大きければ速すぎた。エクスポージャーのほうが大きければ遅すぎた。近ければ、口には出していなかった意欲のもとで底の近くにいた。半日。そして上の表と違って、これはあなたの商品、あなたの大きさ、あなたの習慣を使う。
出典。 Albert Kyle「Continuous Auctions and Insider Trading」(Econometrica、1985年)。恒久的インパクトを、order flow から市場が読み取った情報の値づけとして扱ったもののため。このページが合計に折り込み、分けていない項である。 Robert Almgren と Neil Chriss、「Optimal Execution of Portfolio Transactions」(Journal of Risk、2000年)。インパクトと時間リスクの取り替えのため、そしてこのページが意欲と呼び、あなたの代わりに選ぶことを拒んだリスク回避度のパラメータのため。 Robert Almgren, Chee Thum, Emmanuel Hauptmann と Hong Li「Direct Estimation of Equity Market Impact」(Risk、2005年)。実際の注文データでの較正のため。第一の譲歩が文句をつけている係数の出どころである。 Jean-Philippe Bouchaud, Doyne Farmer と Fabrizio Lillo、「How Markets Slowly Digest Changes in Supply and Demand」(Handbook of Financial Markets、2009年)。商品と年代をまたぐ平方根の指数のため、そしてそもそもなぜ平方根であるべきなのかについての競合する説明のため。
インパクトは速さの値段である。見積もりは日次ボラティリティに、その日の出来高に対する注文の割合の平方根を掛けたもので、それを逆にすればどこまで大きくなれるかが出る。指数ファンドで3億5800万ドル、小型株で29,900ドル、超小型株で1,050ドル。両端の開きが出来高の開きを上回る分は、ボラティリティ比の二乗にちょうど等しい。この講座自身の系列は足あたり1.50パーセントの標準偏差を持ち、そこでは閾値は一日の0.45パーセントで来る。それをレッスン57の時計と突き合わせると、最適解はボラティリティも価格も落とし、残るのは注文の出来高日数の平方根を、測定ではなく選好である意欲の数字で割ったものだけになる。そしてその最適解では、払ったインパクトと担いだエクスポージャーがちょうど等しい。どちらの定数も知らずに走らせられる検査である。レッスン60は、流れがそもそも選択ではない参加者たちに目を向ける。オプションを売っていて、強さを買い弱さを売らざるをえないディーラーたち。一日じゅう、何を考えていようと。
教育目的のみ。 トレードには重大な損失リスクが伴います。金融助言ではありません。過去の実績は将来の結果を保証するものではありません。
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