ポジションサイズは正しかったのに、それでも清算された

エントリー、一度も約定しなかったストップ、そしてその上にあった清算トリガーを示したBLUAIUSDT無期限チャート。実際に決済が起きた破産価格も併記している。
ひとつのポジションにかかる四つの価格を、下落時に価格が出会う順に並べたもの。取引所の出口はストップより上にあり、ストップには最初から届かなかった。

ポジションサイジングの助言はほぼ一様である。いくら失ってよいかを決め、ストップまでの距離を測り、割る。二パーセントをリスクにさらし、ストップは考えが誤りだと分かる場所に置き、その二つが噛み合うようにサイズを決める。

まさにそのとおりにした。それでもこの取引は想定リスクの一倍半と、その裏にある証拠金の一銭残らずを失わせ、ストップ注文は一度も約定しなかった。

四つの価格はどこにあったか

0.013180でロング。ストップは0.012499、5.17%下である。口座の二パーセントをこの距離で割ってサイズが出た。誤っていた場合の想定損失は6.48。

取引所は同じポジションに自分の価格を二つ持っている。

清算トリガーは0.012631、エントリーの4.16%下。破産価格は0.012126、差し入れた証拠金がちょうど尽きる水準である。

下落時に価格が出会う順に並べれば、計算をひとつもせずに問題が見える。0.012631は0.012499より先に来る。取引所の出口はこちらの出口より上にある。

なぜストップは一度も発動しなかったのか

発動しようがなかった。価格が0.012499に届いたとき、閉じるべきポジションはもう残っていない。百三十二ティック手前の0.012631で清算されていた。

ここは立ち止まる価値がある。一度も約定しないストップは失敗のようには見えないからだ。ポジションはただ消えているだけで、見ていなければストップが仕事をしたと思い込む。

実際にいくらかかったか、ここが意外なところである

導き出すその瞬間まで、0.012631で清算されるのは0.012631でストップにかかるのとほぼ同じ金額だと思っていた。このサイズなら約5.16である。

かかったのは10.32だった。

清算は清算価格で決済してくれるわけではない。あの価格は引き金にすぎない。決済は破産価格、つまり差し入れた証拠金がゼロになる水準で起き、証拠金もそこで消える。

金額
想定損失、ストップにて6.48
清算トリガーまでの値動き5.16
差し入れた証拠金9.90
実際の損失10.32

証拠金に往復の手数料を足したものである。五ドル分の不利な値動きが十ドルの損失になり、増えた五ドルは値動きですらなかった。

しかし取引所がそれを許すはずがない

誰もが最初に尋ねることであり、それは正しい問いである。取引所は通常、自分の清算価格の向こう側にストップを置かせない。

その必要はなかった。ストップを置いた時点では、向こう側ではなかったのだ。

これらのポジションはクロスマージンで動いており、クロスマージンでは清算価格はそのポジションの性質ではない。口座全体の残高の性質である。こちらが座っているあいだにも動き、動かしているのは自分の他の取引である。

ストップは一度も動いていない。清算価格のほうが歩いて近づいてきた。

だから点検は一度で終わる計算式ではない

分離マージンならエントリー時にサイズを決められる。ロングなら清算はエントリーのおよそ1/レバレッジ下にあり、維持証拠金率の分だけ手前に引き寄せられる。したがってレバレッジの上限はこうなる

L < 1 / (stop% + MMR)

12.5倍なら8%であり、5.17%のストップの十分外側である。維持証拠金を加えるとトリガーは4.16%へ動き、内側に入る。

クロスマージンではこの計算は必要だが十分ではない。右辺が自分だけのものではないからだ。エントリー時に条件を満たしていても先に清算されうる。考えてもいなかったポジションが清算価格を動かすからである。

守ってくれるのは計算式より地味なものだ。開いているすべてのポジションについて清算価格とストップを読み取り、繰り返し見比べること。

ロングならストップは清算価格より上になければならない。ショートなら下である。この順序が入れ替わったとき、ストップは飾りになる。

同じ口座の今日の状態はこうである。

銘柄方向ストップ清算間隔
PORTALロング0.0150860.0141545.42%
HYPEショート88.2190.312.52%
CLロング86.9485.371.72%
AAVEロング121.85118.202.78%
CHIPショート0.058860.062747.88%

五つとも順序は正しい。もっとも際どいもので入れ替わりまで1.72%であり、その余裕は口座の中で他の何かが動くたびに変わる。

誰もが取り違えている用語

維持証拠金率は段階制である。ポジションの大きさによって決まり、この銘柄ではおよそ4%から60%まで幅がある。

記憶に頼った経験則を引きずっていた。実際の数字は何倍も大きく、まさに痛いほうへの外れ方であり、だからこそ直し方は記憶を良くすることではなく、想定元本が落ちる段階の数字を取引所のリスクリミット表から読むことだった。

ポジションを開いているあいだ、二回の資金調達の支払いが10.03の証拠金から0.25を持っていった。資金調達は、価格がまだ何もしないうちから清算をストップのほうへ歩かせる。

何を変えたか

システムが今つくるカードはすべて、稼働中のリスクリミット表から最大レバレッジを導き、清算がストップの十分外側に収まるようにサイズを決められない設定は、残差と資金調達の余裕を見たうえで拒否する。

実際の事象と突き合わせた。算出した清算は0.012653、実際は0.012631。差は0.17%である。

正直な適用範囲

ポジションはひとつ。仕組みは算術であり、段階制の証拠金を持つどの取引所でも再現する。損失は一枚の領収書であって、研究ではない。

そしてこのどれもレバレッジに反対する主張ではないし、ここでは正しかったポジションサイジングについての主張でもない。ほとんどの人が一度もやらない点検がひとつあるというだけだ。サイズの根拠にしたストップが、取引所自身の出口の届く側にあるかどうかである。


過去のチャートの動きとその測定を、事後に記述したものです。ここに書かれたことは推奨でも将来の結果を示すものでもありません。